SPECIAL CONTENTS 03 「施工は命・安全を守るフロントラインかつ、ディフェンスライン」

地盤補強の施工に携わって約20年。

この業界に入って間もないころは、右も左もわからず、がむしゃらに仕事をしていました。
失敗ももちろんありました。難易度の高い現場、やり直し、機械を壊した現場もありました、それら全てが自分の経験、財産です。

施工者は、施工を熟知し、元請や設計者の指示に従い、自分のスキルを磨き、安全で無事故、工期内で施工を終わらせるのが役目。多くの施工者がそうだと思います、それが施工者の義務です。

一方で私は施工者というものは単なる作業員ではなく、元請や設計者が管理する数値、品質基準や設計意図や要求される性能についても知らなければ、本当の施工者ではないと思います。

若かりし頃、私が施工した現場で基準不足が生じてしまい、元請や設計者に迷惑をかけたことがありました。原因は施工中に機械や数値に違和感があったにもかかわらず、そのまま施工を続けたことが原因でした。
しかし元請や設計者は私を咎めるどころか、一緒になって真摯に原因を追究し、要求される安全性を確保するために前向きに協議しました。その姿に私は、己の未熟さ申し訳なさとともに、技術者の真の姿を見ることができたのです。

私は施工者でありながら、技術者にもならなければならない―。

建築の工程は大きく分けて、
計画 → プラン(意匠) → 設計(構造) → 施工(品質管理) → 完工
に分かれますが、その中でも施工は最も重要だと思います。

施工は
・設計された構造物を現場に納めるフロントライン(最前線)
・要求された性能を発揮させるフロントライン
・施工中、異常を知ることができるフロントラインであり、ディフェンスライン(防衛線)でもある
・基準を満たさなかった場合、最後にリカバリーが可能なディフェンスライン(最終防衛線)
であり、
『命・安全を守るフロントライン(最前線)かつ、ディフェンスライン(最終防衛線)』です。

グランダートユニオンで全国の技術者と交流し、施工管理のみならず、設計理論、品質管理、安全性、設計書の意図などを勉強することで、私は施工者から技術者へ、歩みは遅いですが毎日一歩一歩進んでいます。
技術者として、お客様の安全、安心、命、資産を守る努力はずっと続きます。

日々研鑽。一生勉強。

Profile

和田 大典
秋田県出身
昭和49年7月生まれ(AB型)

某重機販売・整備を経てジオックスに入社
趣味:車・バイク(旧車)のカスタム。アメリカの香りのする物や古い物が大好きです。